2008年7月1日火曜日

「オウムの黒い霧」と「オウム真理教事件完全解読」より 1

 オウム真理教事件は今も解きがたい巨大な謎として心のどこかに残っている。ウィキペディアで調べても事件の経過などの叙述はあるが、「あれは何だったのか」というトータルな論究は行われていない。
 江川紹子や有田芳生の著作は読んでいないが、テレビでのコメントなどから想像がついてしまう。つまりカルト教団に子を奪われた家族や脱会するかしないか苦しむ信者の話が中心なのだろう。しかしそれは従来から繰り返されてきたできごとだ。
 オウム真理教事件には未解明の問題が少なくとも2つある。一つは村井秀夫刺殺事件、もう一つは国松警察庁長官銃撃事件だ。前者は犯人が逮捕され、判決がくだされ犯人とされた人間は刑に服してはいる。しかし、なぜあの人物が村井を殺さなければならなかったのかという理由は十分には説明されていない。不可解さがぬぐえないという点で解決したとはとても言えない。後者は言うまでもなく容疑者を絞ることさえできない未解決事件だ。
 これらが分からなければ事件の全貌は見えてこないと思うが、そもそも「サリンや炭疽菌、ボツリヌスを撒いたり、外国(ロシアとされる)から兵器を購入して彼らは何をしようとしていたのか」ということさえ社会に共通認識はないのではないか。「カルトだから」「テロリストだから」では何も説明したことにはならないのである。
 ジャーナリスト下里正樹は「オウムの黒い霧 オウム裁判を読み解く11のカギ」(双葉社)でオウムを、宗教という側面からみればカルト集団だが、「民族運動や軍事の面から見ると、明白は極右軍事組織である」としている。下里氏は元・日本共産党「赤旗」記者で森村誠一「悪魔の飽食」の執筆協力者でもある。そうしたジャーナリストであれば「いかにも」という主張ではあるが、その中からいくつか抜粋してみよう。

0 件のコメント: