2008年6月9日月曜日

「サブプライム後に何が起きているか」(春山昇華、宝島新書)

「サブプライム後に何が起きているか」(春山昇華、宝島新書)
 109ページ
「近年の中東諸国の国富ファンドの肥大化は、欧米の金融機関に代わって、中国や中東諸国が資金の再配分の権力を持ちつつあることを意味する。資本再配分権力は金融機関に対する生殺与奪の最高権力だ。自国の金融機関が海外資金で救済され牛耳られるという事態の拡大は、アメリカがこれまで保持してきた流動性配分権力を失うこと、つまり帝国として覇権の一部を失うことを意味する。」

—「流動性配分権力」。たしかにこれは権力であるが、金融システムそのものは欧米が作り出したもの。つまり土俵は欧米に握られている。
 またアメリカの覇権の核心は、けっきょくのところ基軸通貨ドルを守る軍事力ではないだろうか。軍事力においてアメリカを物理的に上回ることは長期間にわたって不可能だろう。であるならば、この軍事力は武装解除されなければならない。そうならなければ覇権は移行しない。
 何よりも、中東諸国、中国、米国、ヨーロッパと敵対的に描くことに意味はあるのだろうか。中東と中国が欧米を押さえつけて君臨する図?そうではなく、サブプライムで欧米の金持ちたちのシステムが傷んだので、中東の金持ちがお仲間として助太刀に来た、それだけではないのか。
 こういう視点からみると、「次はアジアの時代」とは「中国の時代」というご託宣も、「だからどうした。金持ち対貧乏人の構図は変わらないんだろう」と言いたくなる。

0 件のコメント: