「サブプライム問題とは何か」(春山昇華、宝島新書)
126ページ
現在のローン債権の所有者とは、世界中に散らばった投資家なのである。彼らは、個別のローンをまるごと所有しているのではない。株式会社の株主同様、ローン債権の持分権を所有しているだけだ。しかも投資家は1人や2人ではない。数十人、数百人で、かつ広く海外に散らばっている。投資家の代表として、ファンドの運用会社と交渉するにしても、運用会社の拠点であるニューヨーク、ロンドン、パリに行くための運賃を誰が払うのだろうか。結局、しゃく入社が現在のローン債権の所有者と直接交渉することは、事実上不可能なのだ。
—漫画のような悲喜劇的な光景。実際に世界に散らばる債券保有者を訪ね歩くスラップスティックコメディがすぐ考えつけそう。けれど、サブプライムの被害者が下層に近い庶民であることを思うとき(130ページ「サブプライム利用者の多くは少数民族である」)それは見るに堪えない胸痛む光景となる。